SSブログ

牛丼三国志 松屋 「プレミアム牛めし(並盛380円)」の戦略とは?  [時事]

プレミアム牛めし②.jpg

いよいよ7月22日(火)10時から、松屋で「プレミアム牛めし」が発売されます。


4月の消費税増税を受け、「吉野家」は値上げ(並盛280円→300円)、「すき家」は
値下げ(同280円→270円)と動く中、増税分の転嫁(同280円→290円)にとどめて
いたのが、牛丼業界3位の「松屋」でした。


それが一転、吉野家を大きく上回る値上げに動くのが今回の「プレミアム牛めし」
(380円)です。


まずは首都圏286店で導入し、7月末までに621店に拡大する予定で、「プレミアム
牛めし」の発売に伴い、従来の「牛めし」(290円)は販売を終了します。


松屋フーズの緑川源治社長は「価格だけを見ると値上げだが、(これまでの牛めし
とは)まったく別物」と強調していますが、何が違うのでしょうか。


最大のポイントは、牛肉です。従来は冷凍保存した牛肉を使用していましたが、今回
の新商品ではチルド(低温保存した)牛肉を使っているのです。


冷凍したものより品質管理は難しくなりますが、物流過程から店舗での保存、調理方法
まで、全ての工程を刷新します。


何故そんなことを・・・という気もしますが、その背景には「米国産牛肉の輸入規制緩和」
があるようです。


2013年2月、厚生労働省は「月齢20カ月以下」としていた米国産牛肉の輸入に際しての
規制を「月齢30カ月以下」へと改めました。


当初は、牛肉の供給量が増え、牛肉価格は下落すると見られていたのですが、牛肉価格
は一向に下がりませんでした。


2012年夏に米国で大規模干ばつが発生し、飼料代を抑えたい畜産農家が牛の屠畜量を
増やしたため、2013年は牛肉の生産量が減り、価格が上昇していたのです。


これは、デフレの象徴とも呼ばれる苛烈な値下げ競争を繰り広げていた牛丼業界にとって
予想外の展開でした。


「中途半端な値上げで顧客を失うくらいなら、大きく値上げする分、品質も改善すればいい」、
今回の松屋の大幅値上げには、そんな背景があったと推察されます。


コスト削減という意味では期待外れだった規制緩和ですが、思わぬ恩恵もありました。
これまで不可能だったチルド肉の導入が可能になったのです。


製品として出荷できるのは、おおむね月齢16カ月以降の牛。従来の規制では、十分に
成長した牛を規制の範囲内で屠畜するには、4カ月しか余裕がありませんでした。


冷凍牛肉なら、この4カ月で通年分の仕入れ量を確保できるのですが、チルド牛肉は
品質が維持できる期間が極端に短いため、4か月では不可能だったのです


ところが、月齢30カ月以下に規制緩和され、屠畜できる期間が14カ月へのびたことにより、
通年での屠畜・生産が可能となり、いつでも牛肉を確保できるようになったわけです。


正直、消費税増税への対応では後手に回った感のあった松屋ですが、米国産牛肉の規制
緩和対応では先行する格好となりました。


当然、「プレミアム牛めし」の売れ行き次第では、他の2社も追随するでしょう。


牛丼三国志の次の展開が期待されます。


【関連記事】松屋 プレミアム牛丼 を発売! 価格とお味は? 
http://extremejapan.blog.so-net.ne.jp/2014-07-18





スポンサーリンク






nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。